チェスの基本ルール
チェスは2人のプレイヤーが白と黒に分かれ、交互に自分の駒を動かしていくゲームです。
最終的に相手のキングを逃げられなく(チェックメイト)した側の勝ちとなります。
駒の初期配置
チェスでは駒の位置をアルファベットと数字で表します。
左右方向は左端がaで右端がh、上下方向は下端(白側)が1で上端(黒側)が8になります。
例えば左上はa8、右下はh1になります。
チェスの駒の並べ方は下図のようになります。
チェス盤を手前の右下のマスが白になるように置き、白ならd1、黒ならd8(自分の色と同じ色のマス)に自分のクイーンを置きます。
キングとキング、クイーンとクイーンがそれぞれ向かい合った形になります。
リバーシや囲碁では黒側が先手ですが、チェスでは白側が先手になります。
キングとクイーンの見分け方と並べ方
チェスを始めようと思った時、おそらく最初につまづくポイントは以下の2点ではないでしょうか。
1.「キングとクイーンはどう並べるのが正しいのか」
2.「そもそもどちらがキングでどちらがクイーンなのか」
1については、他の駒を置いて残った手前中央の2マスのうち、自分の駒と同じ色の方のマスにクイーンを置くと覚えると簡単です。
つまり、白のクイーンをd1に置き、黒のクイーンをd8に置くのが正解になります。
問題はキングとクイーンの駒の見分け方です。
モチーフの違いで見分ける
実は一般的にキングの駒は王冠と十字架、クイーンの駒は王冠をモチーフにして作られています。
どちらも王冠がモチーフになっているため、一見して似たような形になりやすいのも仕方ありません。
ただし、王冠といってもキングの王冠はCrown、クイーンの王冠はTiaraという違いがあります。
クラウンは帽子のようなかぶる形の冠、ティアラは髪飾りのような尖った装飾のデザインになっていることが多いです。
王冠以外にも、キングの駒には十字架があしらわれていることが多く、十字架のようなものがついている駒がキングと覚えるだけでもかなり見分けやすくなります。
十字架と王冠はキリスト教のシンボルとされており、歴史的にはチェスの起源はインドのチャトランガといわれていますが、現在の形のチェスが作られたヨーロッパではキリスト教の影響が強かったため、現在の駒のデザインが定着したと考えられます。
このサイトの駒の画像も、キングの上には十字がついています。
以下のような実際の駒でも知らないと悩みそうですが、ここまでの話を読んでいれば王冠の形状からクイーンが分かると思いますし、それでも自信がなければ冠の上に十字架のようなものが乗っている方がキングだと見分けることができますね。
駒の動き
チェスにはポーン、ルーク、ナイト、ビショップ、クイーン、キングの6種類の駒があり、それぞれ動き方に特徴があります。
ポーン
ポーンは基本的に前方へ1マス移動することができます。
ただし、前方に駒がある場合にはそこへ移動することができません。
また、斜め前方に相手の駒がある場合、そこへ移動して相手の駒を取ることができます。
特殊な動きとして、初期位置から動く場合に限り、2マス前方に進むことができます。
進路上に駒がない場合に限ります。
さらに特殊な動きとして、相手のポーンが2歩移動して自分のポーンの隣に来た場合、その次の手番に限り、相手ポーンの後ろへ移動して相手ポーンを取ることができます。
この動きはアンパサンと呼ばれています。
また、ポーンが相手側の端まで進んだ場合、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイトのうち、いずれか好きな駒になる(昇格する)ことができます。
これはプロモーションと呼ばれており、強力な駒であるクイーンに昇格するのがふつうですが、ナイトに昇格することで有利になるケースもあります。
ルーク
ルークは基本的に前後左右の4方向へ他の駒に遮られるまで移動することができます。
移動先に相手の駒がある場合、その駒を取ることができます。
ビショップ
ビショップは斜め4方向へ他の駒に遮られるまで移動することができます。
移動先に相手の駒がある場合、その駒を取ることができます。
ナイト
ナイトは周囲8方向へ他の駒を飛び越えて移動することができます。
移動先に相手の駒がある場合、その駒を取ることができます。
ナイトのつづりは「Knight」ですが、頭文字「K」は「King」と同じため、駒名をアルファベットで表す場合、一般的に「N」(kNight)で表されます。
クイーン
クイーンは前後左右及び斜めの8方向へ、他の駒に遮られるまで移動することができます。
移動先に相手の駒がある場合、その駒を取ることができます。
クイーンはとても強力な駒なので、ポーンの昇格ではほとんどの場合クイーンが選ばれます。
キング
キングは前後左右及び斜めの8方向へ、1歩だけ移動することができます。
移動先に相手の駒がある場合、その駒を取ることができます。
キングは取られると負けになってしまう、最も大事な駒です。
いかにして自分のキングを守り、相手のキングを攻撃するかということが、勝負の重要なポイントになります。
相手が動かなければ次に自分の駒でキングを取れる状態にすることをチェックと呼びます。
チェックされたキングがどうやっても取られてしまう状態になることをチェックメイトと呼び、チェックメイトされた方が負けになります。
キングとルークが一歩も動いておらず、かつ間に駒がなく、相手の駒からの利き(※もしそこに自分の駒が置かれていたとしたら取られてしまう状況)もない場合、下図のようにキングとルークを入れ替えるような動きをすることができます。
これはキャスリングと呼ばれており、キングを戦場になりやすい中央から遠ざけるとともに、攻撃力の高いルークを中央に持ってくる動作を一手で行うことができる重要な動きです。
特殊なルール
千日手
同一局面が3回現れた場合、手番側が引き分けを選ぶことができます。千日手と呼ばれています。
ステイルメイト
チェックされたキングがチェックから逃れることができない場合、チェックメイトとなりますが、どう動かしてもチェックされていないキングがチェックされてしまう(次の相手の手番でキングが取られてしまう)状況をステイルメイトと呼び、チェックメイトではなく一般的には引き分けとなります。